教室ブログ
そろばん
2019.04.04
鬼特訓って何?(承前)
前回は、塾で行っている「鬼特訓」について、下のような問いを出しました:
15題を7分以内で計算するスピードをつけたい場合、
下のア・イのうち、どちらの練習がより効果的でしょうか?
ア. 15題を7分間で1セット行う
イ. 5題を2分20秒で3セット行う
正解は「イ」。
今の計算スピードと、理想とするスピードとの相違を、認識・修正する機会が複数回あるからです。
その意味で、アよりもイの方が、同じ練習時間で3倍の練習ができることになります。
この鬼特訓。
実際は3セットでは終わらず、5セット・6セット…と目標クリアできるまで続きます。
(これが「鬼」のつく理由です)
一見、単純な反復練習のようですが、練習者の心の中は「次こそは!」というチャレンジングな炎に燃えています。
そして、ついに目標タイムをクリアできたときには…「やった!」思わずガッツポーズが出ます
「練習すれば、上手になれるんだ!」
そろばんの練習を通して学ぶことができる、大切な認識の1つです。
2019.01.16
幼児に必要な計算指導とは?
今月に入り、年長さんが3名入塾してくれました。
当塾では、入塾初日に簡単な検査を行っています。
<分類カード>
「なかまに分ける」という課題です。
これによって、下位概念(犬、からす、金魚)と上位概念(動物、鳥、魚)の習得具合を診ます。
こんなこと計算に関係あるの?と思われる方もいるかも知れませんが、
数は「抽象概念(上位概念)」を獲得することで、初めて理解できるようになります。
また「10個」(具体)を、「1つと見なす」(抽象)ことができることで、初めて位取り記数法や繰り上がりのある計算が理解できるのです。
幼児にいきなり計算を指導してはいけません。
計算ができるようになるためには、いくつかの段階を踏む必要があるからです。
この子は今どの段階にいるのかを見極め、着実に学習が進められるよう、適切な指導・教材選択をすることが指導者の役割です。
当塾で使用している教材・教具には、認知科学の知見が取り入れられています。
●そろばん教育のSSKCLUB
全国で開催される講習会で、指導法を学んでいます。
2018.05.08
今日の目標
そろばんコースでは、毎回一人ひとりに「今日の目標」という練習メニューを渡しています。
練習でつけたい技能は大きく分けて2つ。
「正確さ」と「スピード」です。
今はどちらの力をつけたらいいのか。どんなことに気をつけたらいいのか。
前回までの練習結果を元に、適切なアドバイスをします。
これによって、練習に目的意識を持つことができ、トレーニング効果が高まることを期待しています。
2018.05.02
教える資格(承前)
そのとき何が起こったのか。
「2+9」も「4+8」も、「6+7」も「5+8」も、
これらはすべて「10を作る」という計算である、と気づいたことです。
つまり、範疇化と構造化。
『お月様はどうしてかけちゃったの?』
『ぼくはどこから来たの?』
子供が発する問いは、ほほ笑ましいけれども、
唐突な存在を、自分の世界地図に描きたいという願いは、
科学者も子供も一緒だと思います。
この時の経験は、学んでいく姿勢について教えてくれました。
それはまた、教えるためのパスポートのようなものだったなあ、とも感じています。
2018.05.01
教える資格
ちょうど今ごろの季節だったでしょうか。大学に入学して間もなくの話です。
麗らかな日差しの中、構内を歩いていると、突然「5+8」が分かりました。
正確に言うと、そろばんで「5+8」を計算するときの、その考え方がわかったのでした。
『ああ、そうだったのか』
深く納得すると同時に、どこからか
『これで教えられる』
という、思いがけない声が聞こえてきたのでした。
(続く)
2018.04.30
20が言えた!(承前)
(百玉そろばんを使った数唱トレーニングが続きます)
A君「じゅうろく、じゅうしち、じゅうはち、じゅうく、…、じゅうに!」
先生「ノウ!2個の十で」
A君「に…じゅう!」
先生「20と1で」
A君「にじゅういち!」
やったね!
1年生となった今では、途中つっかえながらも、自分の力だけで100まで唱えられるようになりました。
ある子にとっては軽々と跨げるような段差でも、別の子にとっては、背丈以上の壁である場合があります。
そんな時、下から持ち上げてやれるような役目ができたらと思います。
2018.04.29
20が言えた!
1年生のA君。年長さんで入塾した当初は、10まで唱えるのがやっとでした。
(百玉そろばんを使って数唱トレーニングをしています)
A君「ごう、ろく、しち、はち、きゅう、じゅう!、…!、…!」
先生「次は?」
A君「…!」
先生「10と1で?」
A君「じゅういち!」
先生「10と2で?」
A君「じゅうに!」
いいぞ、その調子!
お尻を押されながらも、背丈ほどの壁を、なんとかよじ登ることができた感じです。
(続く)